傷だらけのラブレター
お医者さんの瞳からは、声にならない感情が伝わってくる。
“その子の分まで生きてくれ”や、
“もう、自分の患者を失いたくない”。
――…女の子だけじゃない。
私もちゃんと、お医者さんに愛されていた。
『…私、頑張るね。』
女の子の分まで、生きて見せるから。
私は、死んだりしない。
まだ、死ねないから。
『……。』
今にも零れそうな涙を、零れさせないように、天井を見上げる。
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