傷だらけのラブレター




『次の選択肢から、答えを選んでね?』




大きく息を吸って、震える声をバレないように、無駄に声を張り上げる。




ずっと、心のどこかでつっかかって、取れなかったもの。



心の“わだかまり”。




『…もし、明日死んでしまうとしたら、あなたは何を考えますか?』

「……。」

『いち。とにかく慌てて、何も考えることができない。』




…ダメだ。声がガタガタして、上手く喋れない。



直也が今、どんな顔をしているのか、見たくない。




< 265 / 459 >

この作品をシェア

pagetop