傷だらけのラブレター
直也がどんな表情をしてるのか気になって、私は恐る恐る顔をあげる。
その先にいた直也は、がっしりとシャーペンを手に握りしめ、どこかいつもとは違う雰囲気を放っていた。
「……いわないで。」
『…えっ?』
突然放たれた、低くてよく聞こえない言葉。
まさかの展開に、私はなにも出来ずに声を漏らしてしまう。
そんな困惑した私に関わらず、今度は力強くはっきりな声で。
直也がもう一度、口を開いた。
「―…“死ぬ”なんて、言うな。」