傷だらけのラブレター
私の訴えが伝わったのか、浅野目くんが静かに口を開く。
そして、ある言葉を聞いて、私は目を見開いてしまった。
だって浅野目くんは、私をずっと前から知っていたの…?
しかも、高校に入る前から…?
『……。』
必死に過去の記憶を手繰り寄せてみるけど、浅野目くんと会っていた記憶は一切ない。
ひとかけらも、覚えていないの。
思いだすのを諦めた私は、もう一度浅野目くんの目をジッと見つめる。
「覚えてないのも、当たり前だと思うよ。
俺が一方的に見てただけだし。」