傷だらけのラブレター
3人なのに、直也と私の2人しかいないような感覚。
私の視界は直也しか映さず、周りの景色はシャットアウトされてる。
そのとてつもなく静かな空間は良いものとは言えず、私は俯きながら直也の言葉を待っていた。
「…あーー。」
髪の毛をワサワサ掻きながら、緊張感を崩す声をあげる浅野目くん。
そんな空気の読めないところも、今の私には有り難い。
『ど、どうしたの?』
全部、なくしちゃえばいい。
その浅野目くんの脳天気さで、全部、全部。
なかったことにしちゃえばいいんだ。