傷だらけのラブレター
大丈夫。浅野目くんは単純だから、ここにいてくれる。
どうにか、このまま私の考えと同じ方向に、転がってくれそうだ。
――…そう思った、その瞬間だった。
「…ごめん。」
グイッと、一瞬のうちに優しく手首を捕まれる。
同時に鼻をかすったのは、いつも近くにいた、あの香り。
後ろを振り向くと、直也が私の背中の真後ろに立っていた。
「俺、愛未と2人きりで話したいから…
席外してくれない?」