傷だらけのラブレター



『……っ』




…なんで。なんでそんなこと言うの?




直也の言葉は、まるで私を閉じ込めるように。



どんどん、どんどん私の逃げ道をなくしていく。




なんだか、『逃げるな』と言ってるみたいだった。





「んー?別にいいけど?

…じゃあ、俺あっち行くわ!」


「おう、ありがとな!」

「いえいえ♪

じゃあねー、愛未ちゃん!」




明るく手を振ってくる浅野目くんに、今の私は、元気に手を振り返す余裕もない。




< 292 / 459 >

この作品をシェア

pagetop