傷だらけのラブレター
『……っ』
…なんで。なんでそんなこと言うの?
直也の言葉は、まるで私を閉じ込めるように。
どんどん、どんどん私の逃げ道をなくしていく。
なんだか、『逃げるな』と言ってるみたいだった。
「んー?別にいいけど?
…じゃあ、俺あっち行くわ!」
「おう、ありがとな!」
「いえいえ♪
じゃあねー、愛未ちゃん!」
明るく手を振ってくる浅野目くんに、今の私は、元気に手を振り返す余裕もない。