傷だらけのラブレター



『…だけど、現実なんだよ。』




…そう。これはどんなに願っても、変えられない事実で。



受け入れなくてはいけないこと。



突き進むしか、ないんだ。




『ねぇ、直也。』


「……。」


『私、手術受けるんだ。』




いつの間にか、涙が零れていた。



自分の頬に垂れてるそれに気づかないフリをして、私はそのまま言葉を紡ぎ続ける。





『その手術、成功率が凄く低いの。』





< 296 / 459 >

この作品をシェア

pagetop