傷だらけのラブレター
02:間違えだらけのラブレター
――トクン、トクン
「……うん。次は背中を見せてね。」
私はその質問に小さく頷き、クルリと椅子に座ったまま半回転する。
外は雨が凄い強さで降ってるはずなのに、その音さえ聞こえない。
辺りはシンと、空気が震えるような音だけが響き渡っていた。
…なんか、喉が乾くな。
空気が乾いていて、水が恋しい。
「…OK。
もう一回前を向いてくれる?」