傷だらけのラブレター
忘れたくないと思った。
直也がいない生活なんて慣れたくないし、当たり前なんかになりたくない。
…けど、逆に慣れてしまえばいいとも思うから、不思議。
『……。』
この生活に慣れてしまえば、直也が恋しくなくなる。
直也を想って涙することもないし、直也を傷つけることもない。
直也を忘れるには、ちょうどいい環境だと思ったの。
「…愛未ちゃん?」
心をどこかに飛ばしていた私に、お医者さんが控えめに声をかけてくる。