傷だらけのラブレター



やっぱり、お医者さんはズルくて、嘘つき。


…だけど、優しい人。



不思議と、“手術をやりたくない”という気持ちは、薄れていた。



込み上げてくるのは、やっぱり直也への想いと、その女の子の願い。




『……。』




“私と同じ運命になるのは、私だけでいい”




…やらなきゃ。

手術、受けなきゃ。


生きたくても、生きられない人がいて。


その人たちの想いを、なんだか託された気分だ。




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