傷だらけのラブレター





――…だけど。

この不安が完全に0になることはない。



いつだって、希望よりも不安の方が上回っているの。




「…手術、頑張ろう。」

『…はい。』




なんとなく気分が落ち着かないまま、私はお医者さんに小さな笑顔を見せたのだった。








――――――――――…
―――――――――…
――――――――…




診察室には1人の医者と、1人の少年が向き合っていた。



少年は診察を受けにきたわけではなく、真剣な顔をして医者と話してる。




この現場を、愛未は知らない。



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