傷だらけのラブレター
さよならは嫌い
カチッ、と。
時計の長い針が1つ動き、手術のスタンバイまで30分を告げてくれる。
そんななか私はボーっと扉を見つめ、思い出に浸っていた。
『……。』
幼稚園の時、初めて直也に会った日、とか。
初めて発作に襲われて、目覚めた後、病気だと告げられた瞬間、とか。
直也に初めて嘘をついた時…、とか。
過去に捕らわれてる私は、まるで死ぬ前に思い出を巡ってる人みたい。
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さよならは嫌い