傷だらけのラブレター



のそのそと小さな机みたいなのに近寄り、置いてある“もの”を掴みとる。




それは私がずっと引き出しの奥に入れて、大事にしていたもの。



捨てることのできなかった、“ラブレター”だ。




『……。』





もしかしたら、直也にもう会えないかもしれないから。




もしもの時にお母さんに渡してもらう、2通の手紙。




それが今手に持っている“昔のラブレター”と、“今現在のラブレター”。




< 337 / 459 >

この作品をシェア

pagetop