傷だらけのラブレター



2枚のうちの新しいほうを、指先でつまみながら、太陽にかざしてみる。



この“現在のラブレター”は、さっき言った通り、直也に気持ちを知ってもらうためのもの。




直也への気持ちや、今までの思い出。



病気のことへの謝罪や、今の私の気持ち。




それには、ありのままの私がいっぱい詰まっている。



全部、全部届けたいんだ。




『…これが遺書、っていうのかな。』




――…“遺書”



今から死ぬ人が、まだ生き続ける人に残す手紙。



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