傷だらけのラブレター
小刻みに腕と手のひらが、私の心臓と合わせるように震える。
聞き間違えだと疑ってしまうぐらい、扉の先にあるのは予想外のもの。
「……愛未!?」
…間違えない。
この声は、直也だ。
私がずっとずっと、個室の前で待っていたもの。
願いが、現実になったんだ。
『な、直也…!?』
声が、震える。
呼吸さえできないぐらい緊張していて、有り得ないぐらい扉に神経が集中している。
なんだか、今にも泣いてしまいそう…。