傷だらけのラブレター
10:真っ白なラブレター
なんで、私だけだと思っていたんだろう。
なんで、他の人は幸せだと勘違いしていたんだろう。
根拠のない理由が、私の思考を締め付けて。
自分だけが不幸だと、決めつけていた。
――…知らなかったんだ。
苦しんでいたのは、私だけじゃなかったんだね。
「なお、や…。」
目の前に起きてることが、信じられなかった。
あまりの衝撃で、今生きてる世界が夢かと思ってしまったぐらい。