傷だらけのラブレター
“愛未の彼氏です”
…本当に、そうだったらよかったのに。
「……。」
『……。』
「…なぁ、愛未。」
一瞬の沈黙のあと、直也が言葉を選ぶように口を開く。
慎重だけど、慎重じゃない直也の口。
直也はいつだって、予想を大きく越える発言をしてくれるね。
「今日、手術なんでしょ?」
『……っ』
頭に、電流でも走ったのかと思った。
それぐらい、直也の言った言葉は予想を飛び抜けていること。