傷だらけのラブレター



直也の瞳に宿るのは悲しみで、だけども、希望も映し出してるような気がした。




「浅野目のことは、俺にもわかんないよ。」






――…その、一瞬だった。





「だけど、俺にとってはそんなのどうでもいい。」


『……っ』





腰に回された力強い腕に、すぐ目の前にあるワイシャツ。



近づきすぎて、直也の顔を見ることができない。





限りなく短い時間に、私は直也に抱きしめられていた。




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