傷だらけのラブレター
視近距離で、目が合う2人。
なんだか照れくさくて、目があった瞬間、私たちは小さく微笑み合う。
なんだかとても、穏やかな時間が流れていた。
だけど幸せな時間は、長続きしない。
「失礼します!」
コンコン、と。
ノックとともに開けられた、個室の扉。
私と直也は、条件反射のように、くっ付いていた体を離す。
そんな私たちに気づかなかったのか、顔を覗かせた看護婦さんは、ニコリと笑った。