傷だらけのラブレター



「その子、愛未ちゃんって言うんだって。」


『……。』


「…唯一、この病院で、私と同じ病気の子。」





当時の俺にとって、この言葉はかなり印象的だったのを、俺は今でも覚えてる。





“姉ちゃんの病気”




それは今の医療では、なかなか治療できない病気で。




この子も姉ちゃんと同じように、病気が治ることないんだな。


…そんな、同情にも似た気持ちを覚えていた。




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