傷だらけのラブレター



『じゃ、じゃあ!それをやればいいじゃん!


そうすれば、治るんでしょ?』




何かから逃れるように、俺は早口で言葉を口走る。



そんな俺の言葉に、姉ちゃんは困ったように微笑むだけ。





「無理、なんだよ。」


『…え……?』


「私は、手術できないの。」




一気に、崖の底へ突き落とされたような感覚だった。



希望があるようで、ない。


光が見えるようで、見えない。



まだ不確かな、絶望。




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