傷だらけのラブレター
病気さえなければ、姉ちゃんは普通の人生を過ごせたかもしれない。
姉ちゃんはただ、普通の生活をして、普通に学校に行って、普通の人生を過ごしたかっただけなのに。
病気というものは、それさえも叶えさせてくれない。
「……圭。」
――…それは、今日聞いたなかで、一番穏やかな声だった。
スーッと耳に染み込み、思わず引き込まれるような、そんな声。
俺は、導かれるように顔をあげる。
「私は無理だけど、さ…。」
『……。』
「まだ、希望がある人はいる。」