傷だらけのラブレター



ハァ、と大きく息を吸って。



思わず溢れ出しそうになった涙を、慌てて引っ込める。





『……。』





――…姉ちゃん。



きっと俺は、愛未ちゃんを姉ちゃんに重ねていたのかもしれない。




姉ちゃんみたいに、また誰かを失うのが怖くて。


姉ちゃんみたいに、愛未ちゃんが消えてしまう気がして。




直也くんの存在が、俺にあまりにも似すぎていた。





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