傷だらけのラブレター
でも、きっと。
姉ちゃんの言葉がなかったら、愛未ちゃんの存在を気にも止めなかった。
姉ちゃんがいなかったら、愛未ちゃんを姉ちゃんと、重ねることもなかったかもしれない。
…俺の全てが、笑えるぐらい姉ちゃんで回っていて。
姉ちゃんの人生を、誇りを、願いを、無駄にしたくなかった。
姉ちゃんが与えてくれたことを、無駄にしたくなかったんだ。
『…姉ちゃん。』
姉ちゃんのお墓を目の前に、軽く地面に膝をつく俺。