傷だらけのラブレター



奴は、いつもそう。



予測不能な時に現れて、いつの間にか俺の近くにいる。



浅野目が現れた時に『なんでいるんだよ』と聞くのは、既に定番。




「…なんでだろーね。」





そんな俺に対して浅野目も、やっぱりいつもと同じように返してきた。




『……。』


「……。」




話すことがなくなり、途切れる会話。



いつもは一方的に話しかけてくる浅野目も、今日は何も話しかけてこない。



俺たちの間には、厚い壁が前を塞いでるような気がする。




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