傷だらけのラブレター





「愛未ちゃんと同じ病気の女の子の話…、知ってる?」






まるで、真空のようだった。




空気さえも存在しないようなこの空間に、一つだけむき出しになったその言葉。






『そんなの…。』




知るわけないじゃん。


知るわけが、ない。




だけど言葉を紡ぐことができなかったのは、どこか繋がるものがあったから。




俺は知らない。


…だけど、知ってるような気もする。




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