傷だらけのラブレター
『浅野目…。』
こんな時、どうしたらいいんだろう。
思わず浅野目の肩へと伸ばしかけた手を、浅野目に遮られる。
浅野目は、そのまま喋り続けた。
「…仕方なかったんだって。」
『……。』
「手術受けたくても、受けられない体だったから。」
浅野目が、伏せがちだった顔を静かに上げる。
彼の真っ直ぐな瞳と俺の視線が、一直線状に交わった。
「俺の姉ちゃんのこと、なんだけどね…。」
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