傷だらけのラブレター




ポチャン、と。


また1つ、点滴の雫が下の方へと落ちてゆく。



その音に敏感に反応した私の肩は、戸惑うように体をお医者さんからずらした。






…途切れる会話と、静かな空間。



手術後に顔合わせをするのは、やっぱり落ち着かない。





「…手術は無事成功したよ。」




お医者さんも私の方を見ずに、一つ一つの言葉を慎重に発していく。




その響きが、なんだか切なくて。



手術は成功したけど、とてつもなく儚いものに感じた。




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