傷だらけのラブレター



この時の私は、なにかに焦っていた。




死と照らし合わせだった私は、自分がいなくなるかもしれない恐怖を体験していて。




伝えられる時に、伝えられる気持ちは伝えたほうが良い。


それを、身にあまるほど経験してしまったの。




『……っ。』




机にあった携帯を握りしめて、病院だからとオフにしてあった携帯を、屋上に上がりながらオンにする。





…早く、早く。

一秒でも、早く。




じゃないと直也が、いなくなってしまう気がした。




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