傷だらけのラブレター



そう言った酒井さんの顔は、今までにないってぐらい優しい顔をしていて。



想像以上に胸に響くその言葉は、また俺の涙腺を緩めさせる。




「圭くんのことを、信頼していたからね。」


『……っ。』


「…亜美ちゃんの願い、一緒に叶えてくれて、こちらこそありがとう。」




――…“亜美”



それは俺の姉ちゃんの名前。



愛未ちゃんと漢字こそは違うけど、全く同じ響き。




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