傷だらけのラブレター
“俺は、愛未が好き”
…直也は、私が好き。
そして私も、直也が好き。
これって、なんて幸せなことなんだろうって思った。
胸は希望で満ちていて、不安なんかひとかけらも存在しなくて。
直也がいれば、この先なにがあっても生きていける。
そう、思ったの。
『…そういえば、直也は今どこいるの?』
なんだか恥ずかしくなって、話題をずらす私。
直也も同じ気持ちだったのか、電話越しでなにかをごまかすような声を出している。