傷だらけのラブレター
「えっと…。いつも学校行く途中で通る、交差点の前。」
『へーー。』
そっか。そういえばお医者さんも、10分前に出たばかりって言ってたもんね。
病院と直也の家とは30分近くかかるから、まだ着いてなくて当たり前。
私は特になにも考えずに、話題を次に移ろうとした、
その、瞬間だった。
――…キキーーッッーー
突然、電話越しでクラクションの音が聞こえて。
それと同時に、なにかが当たったような、鈍い音がする。