傷だらけのラブレター



頭のなかに、さっきのクラクションの残響がグルグル回る。




そんな平等、いらない。



どうせなら、私だけでよかった。


死ぬ可能性なんて、私だけ持っていればよかったのに。




なんで神様は、直也に死の可能性を与えたの?





『……っ。』




足が、震える。



立ってもいられないほどの恐怖に襲われ、すぐ下の地面に膝をつく。



体全体が、ガクガクと震えていた。



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