傷だらけのラブレター
――…そう、あの時。
直也が車に引かれたのは結局間違いで、携帯が車に引かれただけだったらしい。
当時、本当に直也が死んだかと思った私にとって、直也が生きてるだけで涙を流して喜んだけど。
今では、完璧なる笑い話になっている。
「うっ…。」
さすがの直也も、そこを付かれると痛いらしい。
眉間にシワを寄せて、なにも反論できていない。
もちろん直也の味方な私は、すかさずフォローを入れた。
『まぁ、別にいいじゃん。』