傷だらけのラブレター
「俺、もう帰るね。」
「は?」
「俺のドリンクバー代金は、直也くんの奢りってことで。」
「いや意味わかんないし。
…つうか、待てよ!」
そんな直也のツッコミは虚しく、浅野目くんは外の方へと歩き出してしまう。
本当、どこまでマイペースなんだと、私も苦笑いをせずにはいられない。
だけど私が苦笑いした、その瞬間だった。
「…あ、そーだ!」
突然、浅野目くんがピタリと足を止めて。
私は慌てて苦笑いから、普通の顔に戻す。
なにかを鞄から取り出した浅野目くんは、こちらにズカズカと歩いてきた。