傷だらけのラブレター
ずっと幼い私にも、確かにこの気持ちだけは存在していて。
それだけは、色褪せることがなかったらしい。
これだけ残っていれば、それだけでいいと思った。
『…私、直也のことが好きなんだよね。』
口から自然に出たような、違和感ない口ぶり。
直也が驚いたようにこちらを見てくるから、今度は目を見て言ってやった。
『私、直也が好き。
…今も昔も。これからも。』
病気になっても、おばあちゃんになっても、これだけは変わらない自信があるから。