傷だらけのラブレター
『……。』
既に、さっきまで沸き起こっていた笑いは引っ込んでいて。
直也に絡んでいた先生も、直也に問題を解かせるのは諦めたらしく、教卓で教科書を読んでいる。
…限りなく日常的で、いつも通りの風景。
けれども、非日常な空気が、私と直也の間には存在していた。
「…消しゴム、持ってる?」
まるで壊れかけの電球みたいな、たどたどしさや、弱々しさが感じられた私たちの空気。
そんな中、直也の口から出たのは、ありきたりな言葉だった。