傷だらけのラブレター
…きっと。
“優しい嘘”っていうのは、嘘をつかれる相手も、嘘だと分かっているから成立するのだと思う。
自分には言えないことだったのかな、とか。
自分はこんなに頼りないのかな、とか。
相手を想った嘘でも、それを知らない相手は、その“嘘”を知った時、きっと傷つくから。
『……。』
―…私の嘘は、優しくない嘘だ。
直也のため、とか言ってるけれど、結局私が弱いだけ。
自分のため、の嘘なんだ。