傷だらけのラブレター
そんなつもり、なかった。
最初はただただ直也を純粋に、真っ直ぐに想っていただけだったのに。
いつから私の想いは、こんなに汚いものになっていたんだろう。
「愛未!」
くるり、と。
しなやかな半円を描くように、直也がこちらを振り返る。
髪の毛でさえ痛み1つない、直也の純粋な瞳は、私の心を更に刺激した。
『な、なに?』
「消しゴム。ありがとな!」
そう言う直也の右手に摘まれていたのは、私の消しゴム。
小さな、ハートの形。