傷だらけのラブレター
「…おい、暁!授業中に喋るな!」
「えぇー!?てか、なんで俺だけ?」
「愛未だって俺と喋ってたのに」なんて言いながら、渋々と直也が前へと向き直る。
直也が前を向いてしまうのは寂しいようで、ホッとした。
私の汚い部分を見られなくて済む。
そう思うと、とてつもなく安心したの。
『……。』
直也から返してもらった消しゴムを摘みながら、足をブラブラと上下に遊ばせる。
この消しゴム…。
きっと、もう使えないな。
直也が使ったなんて、勿体無くて使えない。