傷だらけのラブレター
…ほら、ね。
私が直也の声を、聞き間違えるはずないんだから。
「ハハッ、バレた?」
『バレるに決まってるじゃん!』
そう言って、直也の肩を軽く叩くフリをする。
…少し触れた指先が熱いのは、きっと気のせいだ。
『てか、私の家に勝手に入るの止めてよね!』
私と直也は知っての通り幼なじみで、家も隣。
家族ぐるみの付き合いをしてたし、私のお母さんと仲が良いから、
どうも、直也は私に対しての遠慮が足りない。
今みたいに、勝手に家に入ってきたりする。