傷だらけのラブレター
もしかしたら、私はこの言葉を待っていたのかもしれない。
「そのパンフレットみたいの、何が書いてあるの?」
『……。』
見られて、なかった。
知られて、なかった。
手術のこと、バレてないんだ…!
『…別に、大したこと書いてないよ?
旅行に行きたいなって思って、パンフレットを見てただけ!』
私は、また1つ嘘をつく。
何かが外れたように。
予想以上にすんなり嘘をつけた自分は、自分が自分じゃなくなったようだった。