傷だらけのラブレター
03:宛先不明のラブレター
『…えっ?』
視界が、固まる。
目の前にはとても可愛らしい、背の小さめの女の子。
栗色の髪が後ろでハーフアップにされていて、
“守ってあげたくなる子”、そんな言葉がピッタリ。
『えっと…。』
言葉が喉の奥に突っかかって、うまく声にならない感覚。
焦点が合わない視界は、私の動揺っぷりを表しているんだと思う。
…なんか、この子苦手だ。
引きつけられるような、逃げ場がなくなるような、不思議な感覚に襲われるんだもん。