傷だらけのラブレター
きっと、彼女はなにも知らないんだ。
だからこそ、対応に困るし、何も言うことができなくなるの。
『なんで、私、に…?』
震えつつも、しっかりと彼女の手に握られている、私に差し出されたものをゆっくり見つめる。
――…ラブレター。
それには、今時の女の子が書きそうな癖のある字で、“直也先輩へ”と書かれている。
「えっと、その…。
直也先輩と愛未先輩ってよく一緒にいるし…。」
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