傷だらけのラブレター
「私、安西菜穂っていいます。」
『……。』
「これから、よろしくお願いしますね?」
頬にえくぼを見せながら、可愛らしく笑う彼女……菜穂ちゃん。
コスモス、みたいな人だと思った。
自然に頬をピンクに染めて、目を細めて微笑んでる。
私と、正反対の子。
『あ、うん…。』
つられたようにぎこちなく笑顔を見せた私を見て、菜穂ちゃんは、またえくぼを見せてくれる。
そして、そのまま一礼をすると、風のように去っていった。