傷だらけのラブレター
―…最初は、憎たらしくて仕方なかったの。
私が今までできなかった告白を、いとも簡単にやってしまう菜穂ちゃん。
そして、嫌みな感じでもなく、思ったことが顔に出てしまう素直さ。
全部、全部が負けている気がして、嫉妬してしまったんだ。
『…これ、どうしようかな。』
手元には、半ば強引に渡された、直也への愛のメッセージ。
きっと、菜穂ちゃんらしく、真っ直ぐな気持ちが綴られているのだろう。