傷だらけのラブレター
忘れられた足跡
「…今日も、校門で別れてきたの?」
教室に入ってすぐに、親友である美嘉が話しかけてきた。
美嘉は、私が直也を好きなことを知っている唯一の人。
校門で別れたことを知ってるってことは……
多分、私たちの様子を窓から眺めていたんだと思う。
『別に。いつものことだよ。』
そう言って私は、フイッと、美嘉から視線を逸らした。
…そう、これはいつものこと。
直也が私の存在を忘れて、男友達の所へ行ったって、いちいち気にしてなんかいられない。