傷だらけのラブレター
『なお、や…?』
感情がそのまま出たような、間抜けな声色。
さっきまで明るく話していた私は消え、直也の様子を窺うように、その場で固まる。
直也は、驚くぐらい冷たい目をしていた。
「…こんなん、いらねぇし。」
『はぁ!?』
「こんなんもらったって、何の意味もないんだよ!」
パラパラ、っと。
音をたてて宙に舞ったのは、粉々になったラブレター。
形さえ確認できなくなったそれは、紙吹雪のように、空中を泳いでる。