ただ..君の側に



私は高校卒業と同時に
地元を離れた
いや、本当の事を言うと
瑠美から逃げた

「行っちゃうんだね...
寂しくなるな〜
住所ぐらい教えてよっ!」

「...あぁ、うん」

ここが私の弱いところ
本当に瑠美から逃げたい
なら住所も教えない
いや、引っ越すことすら
秘密にしていなくなる
のが妥当だろう

でも瑠美から離れて
会えなくなる寂しさを
我慢できるほど当時の
私は大人ではなかった

「いつでも遊びにきて」

「うんっ!絶対行く」

そう言って笑う瑠美が
とても愛おしかった
そして私は本当に
だめなやつだと
つくづく思った


_
< 12 / 12 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop