ただ..君の側に
私は高校卒業と同時に
地元を離れた
いや、本当の事を言うと
瑠美から逃げた
「行っちゃうんだね...
寂しくなるな〜
住所ぐらい教えてよっ!」
「...あぁ、うん」
ここが私の弱いところ
本当に瑠美から逃げたい
なら住所も教えない
いや、引っ越すことすら
秘密にしていなくなる
のが妥当だろう
でも瑠美から離れて
会えなくなる寂しさを
我慢できるほど当時の
私は大人ではなかった
「いつでも遊びにきて」
「うんっ!絶対行く」
そう言って笑う瑠美が
とても愛おしかった
そして私は本当に
だめなやつだと
つくづく思った
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